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絵コンテ

映画の絵コンテの作り方:インディー映画制作者のための実務ガイド

2026年1月15日7 分で読了

絵コンテは、脚本が映画になり始める場所です。書かれた言葉と、スタッフが実際に撮るショットとをつなぐ橋です。そして、うまく絵コンテを切るのに絵の才能は要りません。

なぜ絵コンテを切るのか

絵コンテは、プリプロダクションでいちばん大事な問いに答えます。この場面はどう見えるのか。

絵コンテがなければ、机の上でただで決められたはずのフレーミングとカバレッジを、高い現場の時間を使って考えることになります。予算と撮影日が限られたインディー制作にとって、この計画は決定的です。

絵コンテがもたらすもの:

  • 脚本では見落とす視覚的な語りの機会を見つける
  • 撮影監督、美術、スタッフにビジョンを伝える
  • 特別な機材(クレーン、ステディカム、特定のレンズ)が要るショットを洗い出す
  • 各場面に何セッティング必要かを見積もる(スケジュールに直結します)
  • 撮り直しになる前に、つながりの問題を見つける

覚えておくショットの種類

サイズによる分類

ショット 略号 写るもの 用途
エクストリームワイド EWS 環境の全体 場所の提示、大きなスケール
ワイド WS 全身+環境 場面の地理、動き
ミディアムワイド MWS 膝から上 歩き、集団の力学
ミディアム MS 腰から上 会話、標準のカバレッジ
ミディアムクローズアップ MCU 胸から上 会話、感情
クローズアップ CU 顔のみ 感情、反応、強調
エクストリームクローズアップ ECU 細部(目、手) 緊張、決定的な細部
インサート INS 物の細部 小道具、電話、手紙

アングルによる分類

  • アイレベル。 中立、客観的。
  • ローアングル。 被写体を力強く、支配的に見せる。
  • ハイアングル。 被写体を小さく、脆く見せる。
  • ダッチアングル。 不穏さや方向感覚の喪失のための傾いた画面。
  • 俯瞰。 真上から、神の視点。
  • オーバーザショルダー(OTS)。 会話場面の定番。

カメラの動き

  • パン。 カメラが水平に振れる(左右)。
  • ティルト。 カメラが垂直に振れる(上下)。
  • ドリー/トラック。 カメラが被写体へ、あるいは被写体から物理的に動く。
  • クレーン/ジブ。 カメラが空間を垂直に動く。
  • ステディカム/ジンバル。 滑らかに追う手持ち。
  • フィックス。 固定、動きなし(その簡潔さが強い)。

絵コンテの手順

1. 脚本をショットに割る

各場面を読み、ショットの連なりとして思い描きます。二人の会話場面なら、たとえばこうです。

  • 場所を提示するワイド
  • ツーショット(二人が画面に入る)
  • 人物 A のクローズアップ(その人のカバレッジ)
  • 人物 B のクローズアップ(その人のカバレッジ)
  • 話題になっている小道具のインサート

『ビッグ・フィッシュ』で、エドワードが焚き火を囲んで「怪物」の話をする場面を考えてみます。必要なのは、火を囲む一団のワイド、確信をもって語るエドワードのクローズアップ、退屈しているウィルの反応(前にも聞いている)、炎に光る結婚指輪のインサート、そして「指が?」と戸惑って訊く子どものクローズアップ。

最低でも 5 セッティングです。まずこのショットリストを書き、それから描きます。

2. コマを描く

各コマが示すべきもの:

  • フレーミング。 何が、どこに写るか。
  • 人物の位置。 誰が画面のどこにいるか。
  • カメラの動き。 動きを示す矢印。
  • 主要な動作。 この瞬間に何が起きているか。

棒人間で構いません。四角と丸で構いません。目的は芸術ではなく伝達です。

3. 注記を添える

各コマの下か横に、次を書きます。

  • ショットの種類(WS、CU など)
  • カメラの動き(あれば)
  • セリフの抜粋、または動作の説明
  • 音の注記(音楽、効果音)
  • 尺の見積もり

4. 並べて見返す

全コマを順に並べ、場面を「観て」みます。ショットは流れているか。引っかかる転換はないか。イマジナリーラインは守られているか。問題はここで捕まえます。

絵が描けなくても

描けないなら(監督のほとんどは描けません)、選べる方法があります。

注記つきの棒人間。 十分に機能します。キューブリックの初期の絵コンテは、詳しいメモつきのラフでした。

写真コンテ。 人や玩具をおおよその位置に置いて撮る。速く、明快で、無料です。

AI 生成の絵コンテ。 ショットを言葉で説明し、AI に視覚的な参照を出させる。プレビズの手段として現実的になってきました。

plotwell でショット情報つきに生成された絵コンテ画像

plotwell で絵コンテを切る

plotwell の絵コンテ機能は、複雑なソフトの重さなしに視覚的な計画がしたい制作者のために作られています。

  • 場面ごとのコマ。 コマを場面単位で整理し、脚本の構造と自動でそろえます。
  • ショット情報。 各コマにショットの種類、アングル、動き、レンズを設定できます。撮影監督が受け取るのは絵ではなく技術的な参照です。
  • AI による画像生成。 ショットを平易な文で説明すれば視覚的な参照が出ます。「夜の無人の駅に一人立つ女性のワイド、蛍光灯の照明。」描く必要はありません。AI は作品のトーンと様式に合った画を生成します。
  • 場面まるごとを AI で埋める。 場面を選べば、AI が脚本のト書きとセリフを読み、適切なショットサイズ、フレーミング、カメラワークで一連の絵コンテを生成します。数分で、手を入れられる視覚計画が丸ごと手に入ります。
  • ドラッグ&ドロップの並べ替え。 ショット順を試す。ワイドではなくクローズアップから場面を始めてみる。どう感じるか見てみる。
  • 脚本との連携。 絵コンテのコマは脚本の場面にひもづきます。書かれた場面とその視覚計画をすぐ行き来できます。脚本が変わったとき、どのコマを直すべきかが分かります。
  • 人物とロケ地の把握。 AI はプロジェクトのデータから登場人物とロケ地を知っています。絵コンテ画像を生成するとき、コマをまたいで見た目の一貫性を保ちます。
  • 現場用の書き出し。 ショット情報つきの PDF として印刷できます。現場のボードに貼れば、全員が計画を見られます。

目的は完璧さではありません。撮影日を速くし、映画をよくする視覚計画を持つことです。

何コマ必要か

アクション/追跡: 主要なビートごとに一コマ(画面上 2〜3 秒ごと)。30 秒の追跡なら 10〜15 コマ。

会話場面: セッティングごとに一コマ(セリフごとではありません)。標準的な会話場面で 4〜8 コマ。

転換/モンタージュ: ショットごとに一コマ。簡潔に。

目安: 90 分の長編で、絵コンテは合計 200〜400 コマ程度。労力は、視覚的に複雑な場面や技術的に難しい場面に集中させてください。単純な会話場面には絵コンテが要らないこともあります。

絵コンテから現場へ

撮影日、絵コンテはそのままショットリストになります。印刷したコマを現場のボードに貼り、全員が計画を見られるようにします。撮り終えたら消していく。予定が押しているとき、絵コンテはどのショットが必須でどれを落とせるかを判断する助けになります。

絵コンテに使った時間は、現場で節約できる時間です。そして現場の時間は常により高くつきます。